桶で仕込んだ味噌とそうでないステンタンクで仕込んだ味噌との違い。
味噌の作り方は
①米を麹にする。
②豆を煮て(蒸して)つぶす。
③塩を混ぜて容器に移す。
④重石をして保管。
いたってシンプルなもの。
しかし、シンプルが故に
奥が深く、一つ一つの工程の出来按排が
大きく商品に左右されます。
今回は、容器の違いが
どのように味噌に関わっていくか
まとめてみた。
結論から先に言うと、
『木桶でしか醸せない風味と色、そして香りがある』
とある著書にも、
『桶で仕込んだ商品はなぜか、円やか な、美味しい醸造物になる』
(参考文献 醗酵と醸造 東和夫著 p247)
と記載されております。
ちなみに、
味噌の仕込み容器は木桶とステンのタンクがあります。
ご家庭の味噌作りの場合は
木桶とプラの容器との違いかも知れませんね。
■木桶の特徴
○昔から醗酵食品には欠かせない容器であった
○桶の寿命は長い(耐用年数100年以上) →伝統と歴史がありますね。使っていくうちに愛着もわきます。
○木製のため、醗酵の菌が住みやすい環境 →桶クセとよばれる、個性的な風味に仕上がる
○桶はゼロエミッション。ゴミもでないし、化学物質とも無縁。 →自然の恵みたっぷりです。
○カッコいい→これは主観的見解ですが、やっぱり味噌桶はカッコいいです。しびれます。
○気温の微妙な変化も商品に伝える事ができる。
■桶の欠点
○場所が必要 →円形のため、場所の効率がわるい
○異物混入の可能性あり →木のクズなど入りやすい
○管理・手入れに技術が必要 →メンテに手間と時間がかかります。
○運搬が困難 →フォークリフトが使いにくいです。
○漏れる →商品のロス率が上がります。
○作ってくれる人がいない →桶を作る職人さんが高齢化、後継者不足。
と、思いつくまま羅列してみました。
◆ステンタンクの特徴は
○運搬が簡単
○漏れない
○収納効率がよい
○清掃、手入れが簡単
○今では桶より安く購入できる
などなどありますね。
作業効率や生産性優先、コストの面から
判断すると、桶で仕込むより、ステンタンクで仕込んだほうが
絶対にいいと思います。
しかし、商品の儲かる損するといった世界ではなく、
桶のある、温かくて、美味しくて、職人さんの魂と愛着がある桶で
味噌を作りたいです。
それに
これでないと出せない味という ものがあります。
科学的に証明してといわれると、
学者でもないし、証明できません。
科学的根拠もないかも知れません。
しかし、商品の味は違うと感じております。
桶の伝統を守るとか、
日本の古きよき文化の継承とかそんな
大きなことはできないかもしれませんし、
そんなつもりで味噌を作ってはいません。
ただ、木の桶で味噌を作りたいから
作っているだけです。
昔から続いていた事を今でもやっているだけです。
別にスゴイことでも何でもありません。
当たり前のことです。
桶には不思議な魅力があるので、
これからもこの木桶仕込みをやっていきたいと思った。