オーガニック・無添加・食品のお店

味噌の種類と多様性の素晴らしさが1960年代の『流通革命』によって変化した。

味噌は風土性、地域性、歴史性の強い食品でした…。

福井の蔵元 マルカワみそ

福井の蔵元 マルカワみそ

過去形です。
その理由はなぜか?まとめてみた。

■味噌が風土性、地域性に富む理由。
日本は南北に細長く、北と南で気温も、降水量も大きく違う為。

それに伴い、各地で取れる穀物や収穫できる量も大きく差異がありますね。
地域で取れた物を使い味噌を仕込むので、
味噌もそれぞれの地域、それぞれのご家庭で、
手作り味噌が盛んに行なわれ、正真正銘
『手前味噌』が食卓に並びました。

それが1960年くらいまでのお話です。

【手前味噌(てまえみそ)】とは
自分で作った味噌が一番おいしく
自分で自分の味噌を褒めること。=自画自賛

■風土性に富む事例。

主に、麦が収穫できる
九州地方や四国地方などでは、
麦みそがメインになったり、

米の多く取れる産地では
大豆より米の割合が多い味噌が
好まれる。

また、雪国の冬の寒さが
厳しい地方では、
より『陽性』の強い味噌を
作るべく、
長期熟成かつ塩分の割合が高めの味噌が
好まれた。

などなど。

日本各地に
非常に個性あふれる
豊かな味噌を中心とした
食文化がありました。

一言でまとめるならば、
『お袋さんの味』が
日本全国、どのご家庭にもありました。

想像ですが、
食べ物は決してたくさんあった
わけではないですが、
きっと、手作りで非常に愛情あふれる
温かい食べ物が食卓に並んでいたのでは?
と想像しております。

しかし、1960年以降、
日本は大量生産、大量消費の時代が
きます。

食品業界は
大量生産体制に入るべく、
製造工程を徹底的に効率化、
工業化されていきました。

味噌業界も
煽りを受けました。

大量に生産できるように、
味噌を強制的に醗酵する作成方法が
メインになりました。

安く安価に仕入れするために、
大豆などは、海外から仕入れするようになりました。

このことを批判する気は
全くありません。

これにより、
お客様は廉価で
何時でも、どこでも、
同じ味噌を入手できるように
なりました。

ちょうど流通革命というものもおき
大手メーカーさんの商品が
スーパーに並ぶようになりました。

『流通革命』とは?

…便利な世の中になりましたね。

しかし、便利な世の中になった
陰の部分がありました。

それまで、手作りで、地元の蔵元が愛され続け、
地域性に富んだ味噌が
一気にモノカルチャー化していました。

大手メーカーさんは
どんどん売上、生産量を
伸ばしていきました。

地域の家族労働を中心とした
小さな蔵元は縮小、廃業される
方が多くなってきました。

いつの間にか、
どこのスーパーに
行っても
同じような原料と同じような製法で
同じような味噌が
陳列されました。

統計でも、
味噌メーカーは
約1000社ありますが、
生産量上位50社で生産量の90%を
占めています。

生産量50位以下の蔵元は
別に存在していなくても、
市場には何にも影響ありません。

しかし、しかし

一昔前までの、
個性豊かでと地域色と愛情あふれる、
温かい味噌達はどこに行ったのでしょうか?

…燃えるごみと一緒に
ゴミ収集所に出されたのでしょうか?!(笑)

ちょうど50年ほど前の
話ですが、今でも
醗酵業界は同じ趨勢でございます。

大量生産・大量消費の
時代もまた、変化していくのでは?

と思っております。

これからどんな時代が
くるのか?
というと、
○ITの時代(いい面でのアナログも含む)
○女性の時代
○本物の時代
というのをとあるコンサルタントの
方からお聞きした。

『身土不二』あふれる地元の蔵元が
盛んになるといいですね。

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