富山で組子欄間を作っている谷端社長は問題解決能力の秀でた方だった。
富山で欄間・組子をつくってられる株式会社タニハタさまを訪問
富山の富山市で組子欄間などを製造・販売しているタニハタさんの会社に見学に行った。
谷端社長とはネットショップの北陸三県の交流会で知り合って、今回、北陸三県での見学会を快くご了承していただきました。
谷端さんの会社は欄間の中でも『組子欄間』に秀でているそうです。日本の伝統木工芸技術の一つでもあります。
欄間(らんま)とは?
欄間(らんま)とは、天井板と鴨居の間の空間のこと(障子や襖と天井までの空間)。明かり取りや換気などに用いられるスペースである。古くは平安時代の絵巻物にも原型が見られる。ここに格子や障子、透かし彫りの板をはめて装飾を施したことから、転じて装飾板自体も欄間と呼ばれる。花鳥風月といった題材を彫刻で施したものは、大黒柱と並び建物の品格を表すことから、凝った技法のものは寺院や在来軸組工法の高級木造住宅に欠くことができない。このため生産地は、城下町や門前町として発展した、仏具の生産地に多い。(参考サイトWikipedia)
欄間と言っても彫刻欄間や組子欄間、筬欄間、透彫欄間、etc…などいろんな種類が存在します。
古い民家の家には通風、採光の為に欄間を入れている家が多いですね。
自分の町内にも欄間が入っている家はよく見られます。
上記の写真は『彫刻欄間(ちょうこくらんま)』と呼ばれるものですが、
谷端さんの会社は釘も使わないで木材を匠の技で組み立てる組子欄間を製造しています。
日本の家屋住宅構造と欄間の使い方の移り変わり
富山や福井などの北陸地方は一昔まで豪雪地帯でした。そのため、どうしても大雪が積もったりするため、大きくて丈夫な家が必要になってきます。そして、大雪にも耐えられる、大きな家や立派な家がある種のステイタスになっていました。
タニハタさんの会社の富山も豪雪地帯なので、古くから地元の方に組子欄間や芸術美ともいえる職人技が愛されいたに違いありませんね♪
家が立派なのがいいのか、すごいのかは分かりかねますが、『地位』や『お家柄』の象徴として『欄間』をいれたり、立派な掛け軸や骨董品を昔の人は集めたようです。奥ゆかしい趣きなどが造形物にはありますね。
しかし、福井地方は温暖化の影響なのか以前よりは降雪量も減り、住居も洋風化されていきました。
住居が洋風化したため、欄間も売れなくなってきたようです。
また、欄間が売れなくても、洋風化に合わせて『ラディス』というパーティションのような組子や商品を開発して販売していきました。ホームセンターなどでよく売れたようです。
しかし、ラティスも安価な材料で中国製の商品が出回ってきて、商品が売れないようになってしまったそうです。
設備投資やいろんな借入をした社長様はきっとご心労があったと思います
しかし、いろんな情報やTVを見て、これからはインターネットの時代がくる。『楽天』に出店しよう!と決意したそうです。銀行からの借入などは待ったなしですから、背水の陣で挑んだとお聞きしました。
最初は、欄間も『商品が届かない』とか『キズがある』とか『イメージと違うよ!』などと厳しいご意見を頂いたようです。しかし、そのお客様の声に一つ一つ耳を傾けて、問題を解決して、ご商売をされていらっしゃるとお聞きしました。
お客様のご要望に真摯に応えることは、商売の当然のことですが、どうしてもメーカーや職人技がものを言う世界では、いろんなことも起こってくるものですが、いろんな問題を解決していった社長様はものすごいものだなと感じました。
組子欄間の技を会得するには10年以上かかる…
商品説明や工場説明には工場長がご説明をしてくださいました。
とても優しく、立派なお人柄がにじみ出ていました。
組子欄間が出来るまで
また、組子欄間を少し組んでくれました。
まず、薄く木材をカットします
アップで撮影できなかったのですが、工場長の手の中で木材を折り曲げます
そして、格子に糊付けして釘を使わずはめていきます
機械・釘などは使わず手でこのような模様ができてきます。
最低10年かかる理由として、木の特徴を読み切ることと1ミリでも間違えると組子になりません。
組子らんまに使う鉋も特殊
組子欄間に使う鉋も特殊な鉋でした。
下部の写真は、鉋の刃がまっすぐではないですね。
職人芸の世界が盛り沢山でした。また、工場内には木材のいい香りが薫っていました♪
北陸三県の意見交流と『買う理由』
そんな、ワクワクドキドキの会社見学はあっという間に過ぎていきました。
また、北陸三県でいろんな、勉強会や意見交流会が出来ればと感じた。
こんどはどうやら石川県で開催されるらしい、その次は福井県で開催されるようで
こんな感じで、また一年間の勉強会ができたら『ワクワクドキドキ』して楽しいし、自分の見聞が広がると思った。やっぱり、福井もいいところがあるが、他県との異業種交流会は得るものが多かった。
また、帰路に着くときに感じたことは、どの業種もローコストで大量生産できる中国製や海外の商品が価格訴求の市場を占めて、自分達のような零細中小企業はそれとは違った商品力の高い商品をつくっていかなければと感じた。
『100円のサンマ』と『150円のサンマ』話をもう一度心がけようと感じた。
また、お忙しい中、ご丁寧に対応してくださった谷端社長様と工場長様には感謝の気持で一杯になった。