国産有機大麦の貴重さ、そこにある、生産者様の思い…。
- 2009/07/22
- 味噌のお話
今日は、群馬から来た有機大麦を精白した。
国産の有機格付け(有機認定の承認がおりたもの)
された大麦の年間生産量は
たったの556トン(平成18年 農水省統計)
国内自給率0、06%という数字しか生産されていません。
556トンという数字は一見単位が不慣れで、
沢山生産されてそうに見えますが、
日本の人口約1億2,000万で割ると、
一人当たり4,6グラムという計算になります。
たとえ話ですが、
1,5斤の食パンを作るのに、
小麦粉はおよそ300グラム使います。
国産有機の麦は原麦で4,6グラムですね?
パン一切れ食べれないのが今の状況です。
4,6グラムの原麦(精白されていない麦)
では、消費者様のお手元に届くのはごくわずかですね。
原因として、お米と比べると、反収(一反あたりの収穫量)が
少なく、そして、麦の単価もお米の値段よりはるかに安いのが
挙げられます。
もっと簡単に言うと「儲かりませんですわ!」って感じでしょうか?
反収が低く、購買単価の低い背景は大豆もよく似た状況です。
経営者として、お金儲けの仕事として、
ビジネスとして、判断したら、
麦や大豆を作る事は厳しい事かもしれません。
そのため、減反や助成金があるかもしれません。
もしかしたら、助成金目当てで麦や大豆生産されていて
なんとかこの数字が出ているのかもしれません。
しかし、お金儲けだけでなく、
本気で日本の稲作を守ろう!
美しい景観のある日本の自然を残そう!と
思い、信念を込めて生産・栽培されている
生産者様も沢山いらっしゃるのだな!
と、その数字が556トンという数字になっているのだなと
思いました。
この麦の風袋にただの麦だけでない、
生産者様の大切な血と汗と涙と愛情の結晶の物語が、
詰まっているのだなと思いました。
じっと見つめていると
麦の風袋が話しかけてきそうですね。