商品の絞り込みには『攻めの絞り込み』と『守りの絞り込み』の2つの型がある。
- 2018/05/14
- 勉強になったこと
『自分たちがやることを誇りに思うのと同じくらい、やらないことにも誇りを持っている』by Steve Jobs
会社を運営していく中で『商品』は大切です。『商品の顔ぶれ』は『その会社の人となり』を表していると言っても過言ではありません。
そして、市場性と商品構成は切るに切れない密接な関係があります。
今回の記事では『市場が成長、成熟になった時の商品』について2つの方針があるという私の意見を述べます。
まず、市場というのは
- ○黎明期(れいめいき)
- ○成長期
- ○成熟期
- ○衰退期
上記の4つの状態に分けることができます。
黎明期における商品について
黎明期というのはまだ、夜明け前のことです。まだ、始まったばかりの時の市場は非常に狭く、商品の顔ぶれというのはほぼ1つになります。
商品を沢山用意できる市場性もメーカーにとって作れる製造余力もありません。
成長期における商品について
ある程度、その市場が広まっていくと、売れる商品、(まだ数字はいまいちですが)将来性のある商品、そして売れていない商品と大まかに3つに分かれます。
その時には、販売実績のある商品と将来性のある商品に特化していくのが定石といえます。この時の売れていない商品の絞り込みは守りの絞り込みといえます。
成熟期における商品について
ある市場が成熟した時は自社商品はじめ、同業他社の様々な商品が市場に並びます。それほど需要が見込まれます。
さて、その時に会社が取るべき1手はなにか?
その時に大切になるのは『その市場における優位性』という事だと私は考えます。
その市場の立ち位置で大きく変わります。その時に『商品の絞り込みを行うかどうか?』が要諦です。
衰退期における商品について
市場が衰退していくと、商品自体の商品価値と存在価値が無くなっていきます。
しかし『商品の再定義』を行う事によって、活路を見出す事ができます。
例え話で恐縮ですが、『そろばん』という商品は『電卓』『PC』という商品によって、演算市場では存在価値が非常に小さくなりました。
しかし、そろばん特有の強みでもある『空間把握能力』『暗記力』や『右脳の発達』という観点から『教育分野』では価値が再認識されております。
とあるアメリカの先生が弊社に来社されたことがありました。その際に娘さんに『そろばん』を教えているというのを御本人からお伺いしました。非常にクレバーな数学の先生ですよ。『破壊と再生(SCRAP&BUILD)』の典型的な型ですね。
スティーブジョブズが採用した成長期の商品構成
Apple創業者の1人でもあるスティーブジョブズはこの市場が成熟期にどのような商品構成、戦略を選んだのでしょうか?
PC市場も飽和している中、ジョブズは一度Apple社を追い出されますが、1997年Apple社に復帰をします。
その時にApple社に『約30種類もあったパソコンをたった4種類だけに絞り込み』ました。
その4種類も非常にわかりやすいです。
- 一般ユーザのためのノートパソコン
- 一般ユーザのためのデスクトップパソコン
- プロユーザのためのノートパソコン
- プロユーザのためのデスクトップパソコン
シンプルイズベスト。
ジョブズは『どれだけ良いアイデア(good ideas)を殺せるか(kill)が勝負だ』
『無駄を省けば洗練される』と言っていました。
この事例で私がお伝えしたいことは、『商品の絞り込み』と言うと守りのために、売れていない商品をカットするために行う事と捉えがちですが、『主力商品を育成するために』行う事もあります。それが『攻めの絞り込み』と私は捉えています。
もちろん、いいことばかりではありません。売上が減少してしまう可能性や他社にシェアを明け渡してしまうかもしれません。
商品同士の相乗効果も無くなるかもしれません。
しかし、しかし、それ以上に良いこともあるのがこの『攻める商品の絞り込み』なのです。