お味噌の効用
- 2009/06/04
- 味噌のお話
味噌業界には全国味噌技術会という全国の蔵元の醸造技術の向上のための会がある。
ここに、日本全国から、各蔵元のトップや工場長たちが集います。
今回は銀座で開催された。
ちなみに、全国味噌技術会は今回で最後…理由は定年退職された方の後釜が
育っていなかったためと聞いた。無念。
今後は、醸造技術の研究、普及活動は中央味噌研究所というところに引き継がれる。
いつもは一番前の席でお話を聞こうと心がけている私ですが、
今日は一番前の方は、新入りの私でも分かる、お偉い様ばかりでしたので、
空気を読んで、後ろの方に着席。
今回の講義で広島大学名誉教授の渡邊敦光先生が興味深い話をしてくださった。
渡邊先生は広島で原爆や放射線のことを中心に研究されている方です。
その方が、お味噌の効用を動物実験で研究したところ、
熟成期間が短い味噌よりも、180日ほど熟成された味噌の方が
癌腫瘍の抑制効果が高いということが判明したとのことでした。
なるほど!!これは温度管理をした(温醸法)、よりも、自然に寝かした天然醸造の
ことをいっているのではと私は解釈しました。
たとえ話で、養殖されたハマチと天然物のハマチ、また、
露地栽培されたトマトとハウスで無理やり温かくしたトマトと
どちらが、風味、または栄養共にいいのか?とこのお味噌の話も似ているのかなと
思いました。
私の考えでは、ハウスや養殖も自然な感じで作物に負担もなく、育てていれば問題ないと思いますが、
強制的に作物のことを二の次にして生産効率を高めるのはどうか?といつも思います。
メタボリック症候群と世間では問題になっていますが、
その根源となる、中性脂肪にお味噌を使って実験すると、中性脂肪が
下がるようです。
同じ濃度の食塩水だと中性脂肪が上がるのにお味噌はなぜ下がるのか?
とお味噌の不思議、魅力は底が深いなと今回の講義を受けて感じました。
ちなみにこのことは血圧や癌の腫瘍でもいえることです。